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AIでホームページの更新を楽にするには?任せる作業と人が確認すること

AIエージェント活用
AIでホームページの更新を楽にするには?任せる作業と人が確認すること

AIを使えば、ホームページの更新が楽になるかもしれない。でも、間違った料金や日付がそのまま公開されたらと思うと、なかなか踏み切れない。そんな迷いはありませんか。

まず、更新の作業を、資料を集める、文章にする、表記をそろえる、内容を確かめる、公開する、と分けてみてください。すると、AIに任せても困らない作業と、人が見なければならない作業が分かれて見えてきます。

分ける基準は1つです。AIが出した結果が正しいかどうかを、担当者が元の資料を見て確かめられるか。 確かめられる作業はAIに任せ、内容の確認と公開するかどうかの判断は人が行います。では、どの作業から任せ、何を渡し、返ってきた文章をどう扱えばよいのでしょうか。

AIと人の確認を分ける。1. 資料を整理、2. AIで下書き、3. 人が事実確認、4. 承認して公開。

更新作業を分けると、任せられる所が見える

新しいサービスのお知らせを出す場面で考えてみます。担当者は資料から必要な情報を拾い、見出しを考え、文章を書き、表記を整え、内容に間違いがないかを見てから公開します。これを「お知らせを作って」と一度にAIへ頼むと、できあがった文章のどこに間違いが入ったのかを探すのに手間がかかります。

作業ごとに分けると、AIに試せることと、人が見ることは次のようになります。

作業AIに試せること人が確認すること
素材整理資料の情報を項目別に分ける抜け・取り違え・機密の扱い
構成案見出しの候補を出す読者の疑問に答える順序か
下書き指定した資料をもとに文章にする事実・条件・言い過ぎ
表記調整用字用語の揺れを指摘する固有名詞や引用が正確か
公開公開前の確認項目を並べる最終的な内容と公開の可否

AIが減らしてくれるのは、表の中央の列の手間です。右の列の仕事は、AIを使っても担当者の手元に残ります。

最初は、正解が分かる作業から任せる

最初にAIへ任せるのは、担当者が結果を見て「合っている」「間違っている」とすぐ言える作業です。既存の案内文から日時・場所・対象者を抜き出してもらう。社内で決めている用語の表記揺れを探してもらう。どちらも、元の資料と並べれば正誤が分かります。何度か試すうちに、AIがどんな間違いをしやすいかもつかめてきます。

向かないのは、社内に詳しい人がいない分野の記事を、AIの説明だけで書き上げる使い方です。それらしい説明が本当に正しいのか、社内の誰にも判断できないからです。そうした記事を書くなら、文章にする前に、根拠になる資料と、内容を見てくれる専門の人を先に用意します。

渡す資料と依頼文で、AIが推測で書く部分を減らす

AIは、渡された資料に書いていないことを、それらしい言葉で埋めることがあります。推測で埋められる余地を減らすのが、資料の渡し方と依頼文の書き方です。

渡す資料は、社内で使ってよいと認められたものに限ります。自社サイトにすでに載っている情報でも、料金や提供内容が古いままのことがあるため、更新日を見てから渡します。お客さまの情報や公開前の情報は、使うAIサービスの規約や設定、社内のルールに照らして判断し、判断がつかないものは入力しないでください。

決まっていることと、まだ決まっていないことを分けて渡す

1つの資料に、今の料金と検討中の料金が並んでいたとします。そのまま渡すと、AIはどちらが今の料金かを文脈から推測し、検討中の料金を本文に書いてしまうことがあります。

これを防ぐには、公開してよい確定情報、参考にとどめる情報、まだ決まっていない事項を分けて渡します。日付、商品名、利用条件のように1文字も変えてはいけない値は、「資料の表記のまま使ってください」と指定します。

資料だけでは書けない部分があるときは、無理に完成原稿を出させず、担当者に聞くべき点を先に挙げてもらいましょう。もっともらしい文章の中に推測が混ざった原稿は、どこが推測なのかを探すところから始まります。「要確認」と空欄が残った原稿のほうが、ずっと直しやすいものです。

依頼文には、誰が何を判断するための文章かを書く

「読みやすく」「魅力的に」と頼んでも、AIは何を残し、何を省けばよいかを決められません。サービス紹介の下書きなら、「法人の発注担当者が、対応範囲と依頼前に準備することを判断できる文章にしてください」と伝えます。誰が何を判断するために読むのかが分かると、同じ資料からでも優先して書く情報が変わります。

書いてはいけないことも、はっきり伝えます。資料にない実績や数字を足さないこと、お客さまの発言を作らないこと、費用や納期を約束しないことです。お知らせの下書きなら、依頼文はたとえば次のようになります。

「添付の資料だけを使い、既存のお客さまに新しい提供範囲を知らせるお知らせの下書きを作ってください。開始日と利用条件は資料の表記のまま残してください。資料で分からない点は本文で補わず、質問として別に挙げてください。」

使う資料、変えてはいけない値、分からないときの扱い。この3つが書いてあれば、返ってきた文章を資料と1か所ずつ照らし合わせやすくなります。

依頼文を社内で使い回すときは、共通にするのを表記のルールや確認の手順までにしておきます。誰に向けた記事か、何に答える記事かまで固定すると、どの記事も同じ流れ、同じ締めくくりになってしまいます。

AIの提案を、採用・修正・却下に分ける

AIから文章が返ってきたら、元の資料と並べて、1か所ずつ使うかどうかを決めます。先ほどの依頼文で、新しい提供範囲を知らせるお知らせの下書きを作ってもらった場面です。

AIの出力(例)資料との照合判断
開始日と申し込み方法の記載資料の表記と一致採用
「どなたでもご利用いただけます」資料では既存契約のお客さまに限定修正
「ご好評につき」という書き出し資料に根拠がない却下
対象外となる条件が抜けている資料には記載あり人が追記

「ご好評につき」は、お知らせの書き出しとしては自然です。ところが資料には、好評だったという根拠がどこにもありません。対象外の条件のように、要約の途中で消えてしまう情報もあります。読みやすい文章ほど、こうした間違いは目に留まりにくくなります。

文章の手直しと、内容の照合は分けて行う

誤字を直し、つながりの悪い文を整えても、書いてある内容が正しくなるわけではありません。文章の手直しでは表記と読みやすさを見ます。内容の照合では、書かれている事実を1つずつ元の資料と突き合わせます。両方を一度に済ませようとすると、自然に読める文章ほど間違いを見落とします。

AIに「この文章は正しいですか」と聞き直しても、元の資料との照合の代わりにはなりません。料金、実績、お客さまの名前、製品の仕様のように、間違えたときの影響が大きい情報は、どの資料で誰が照合したかを記録しておきます。AIが参考として示したURLも、実際に開いて、そのページに本当にその内容が書いてあるかを見ます。

説明のために架空の例を使う場合は、架空であることを本文にも社内の原稿管理にも残しておきます。手直しを重ねるうちに、仮の会社名や数字が本物の実績のように書き換わってしまうのを防ぐためです。

根拠のある実例と説明用の仮例を分けて整理する様子

ルールを先に決めておけば、下書き保存まで任せられる

AIで文章を書くというと、ChatGPTやClaudeのチャット画面に依頼を書き込み、返ってきた文章をCMSに貼り付ける使い方が一般的です。この方法では、依頼のたびに資料や注意点を伝え直し、貼り付けや画像の用意も人の手で行うことになります。

弊社では、AIエージェントと言われる、決められた作業を自分で順に進めるAIを使い、更新を自動化する仕組みを提供しています。書き方のルールや禁止事項をあらかじめ設定しておくと、AIがそのルールに沿って文章を書き、AI自身で検査をしたうえで出してくれます。文章を書くだけでなく、CMSへの下書き保存や、アイキャッチ画像の作成までを自動にできます。

この形でも、公開前の内容の照合と公開の判断は人が行います。担当者は、下書きとして保存された記事を開いて中身を見て、公開するかどうかを決めるだけになります。

公開するかどうかは、人が決める

使い始めのうちは、AIで作った原稿をいったん下書きとして保存し、内容を照合した人が公開を決める流れにします。WordPressでは、利用者ごとに権限を割り当てられます。標準の「寄稿者」は記事を書いて保存できますが、公開はできません。下書きを作る人と公開を決める人を権限で分けておけば、照合前の原稿が誤って公開されるのを防げます。

出典:Roles and Capabilities – WordPress.org Documentation

文章の照合が済んだら、リンク先が正しいか、使う画像に使用の許可があるか、スマートフォンで表示が崩れていないか、問い合わせの案内と内容が食い違っていないかも見ておきます。照合のあとでAIに文章をもう一度整えてもらった場合は、数字や条件が変わっていないかを見直してください。

AIに任せる範囲をどこまで広げるかは、間違えたときの影響の大きさで決めます。表記の揺れを指摘させるだけなら、間違いがあっても担当者が気づいて直せば済みます。料金表を書き換えてそのまま公開する作業を任せると、お客さまの目に触れてから間違いに気づくことになります。公開前の内容の照合と公開の判断は人が行い、そこまでのどの作業をAIに任せるかは、社内の権限や運用のルールに合わせて決めてください。

楽になったかは、準備から修正までの時間で測る

AIが文章を出すまでの数十秒だけを見ると、ずいぶん楽になったように見えます。けれど、その分だけ照合する人の時間が増えていれば、全体の負担は変わっていません。資料の整理、下書き、照合、修正のそれぞれにかかった時間を記録しておくと、どこが楽になり、どこに手間が残ったかが分かります。

どこを直したかも記録しておくと、次に変えるところが見えてきます。毎回サービスの範囲を取り違えているなら、渡す資料か依頼文に足りないところがあります。同じ表記を毎回直しているなら、表記のルールを依頼文に入れれば済みます。資料をそろえても照合に時間がかかる作業なら、AIに任せず人が書くほうが早いと判断してよいでしょう。

もう1つ、作業時間とサイトの成果は分けて見ます。作業時間が半分になっても、お客さまが知りたい情報が載っていなければ、問い合わせは増えません。反対に、手間は変わらなくても、お客さまがよく尋ねる疑問に答えるページを1つ増やせば、問い合わせにつながることがあります。AIの効果は作業の負担で、更新の効果はサイトの見られ方や問い合わせで測りましょう。

まとめ|元の資料で照合できる作業から、AIに任せる

AIで更新を楽にする鍵は、作業を分け、結果を元の資料で照合できる作業から任せることです。変えてはいけない値とまだ決まっていない情報を分けて渡し、返ってきた文章は採用・修正・却下に分け、公開するかどうかは人が決めます。

手始めに向いているのは、承認済みの資料から日時や条件を抜き出す作業です。1件試して、資料にない内容が増えていないか、条件が抜けていないかを照合し、準備から修正までにかかった時間を残してください。照合まで含めて手間が減った作業から、日々の更新に組み込んでいけます。

AIを、確認できる範囲から更新業務に取り入れたい方へ

原稿づくりや確認の流れを伺い、人とAIの役割を分けた運用を一緒に検討します。

中村 和正

この記事を書いた人

中村 和正

株式会社gracenote 代表取締役 / 一般社団法人日本Web協会 会長

Web制作・ディレクション・マーケティングの実務を経て、2018年に株式会社gracenoteを設立。Webサイトの設計・改善支援と、Webディレクターの人材育成に携わっています。著書に『「買わせる」の心理学』。

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