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問い合わせは来るのに、受注につながらない。Webサイトと営業で確認したいこと

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問い合わせは来るのに、受注につながらない。Webサイトと営業で確認したいこと

問い合わせは、それなりに来ている。なのに、受注にはなかなかつながらない。そんなとき、「もっと問い合わせが増えれば、そのうち受注も増えるはず」と考えていないでしょうか。

受注を逃している原因をそのままにして件数だけ増やすと、営業が返信や面談に使う時間ばかりが増えていきます。しかも、止まっている場所は問い合わせによって違います。対応できない内容の相談なのか、返信したあとで連絡が途切れるのか、提案したあとで見送られるのか。どこで止まっているかによって、直すべきなのがWebサイトなのか営業なのかが変わります。

止まっている場所は、手元の問い合わせを経過ごとに並べるだけで見えてきます。なお、問い合わせ自体が少ない場合は、ホームページから問い合わせが来ないとき、何から確認すればよいかをご覧ください。

問い合わせ後の停滞箇所を見る。1. 問い合わせ、2. 返信・案内、3. 商談・提案、4. 判断の確認。

最近の問い合わせを、その後の経過で分ける

ここ数ヶ月の問い合わせを1件ずつ見て、どこまで進んだかで分けます。対応できる内容だったか、返信したか、面談に進んだか、提案したか、見送られたか。どの段階まで進んだかと、そこで止まった理由を確認してみましょう。

止まっている段階確認すること
対象外の相談が多いサービスの対象・対応範囲・どこから来たか
返信後に連絡が途切れる相手の検討段階・返信の内容・次の手順
商談で条件が合わない予算・納期・依頼内容の認識のずれ
提案後に見送られる比較している相手・決める人・時期・提案の内容

受注しなかった案件を、まとめて「失注」としないでください。「まだ時期が決まっていない」相談と、「他社に決まった」相談では、次にすることがまったく違います。

フォームには、見込み客の相談のほかに、営業の売り込み、採用についての質問、今のお客さまからの連絡も届きます。これらまで受注の候補として数えると、受注の割合が実際より低く見えてしまいます。仕事の相談だけを取り出して数えます。

検討に数ヶ月かかるサービスなら、月ごとの比べ方にも注意が要ります。10月に受注した案件は、7月の問い合わせかもしれません。10月の問い合わせ数と10月の受注数を比べると、別々の案件を比べることになります。問い合わせを受けた月ごとに、その後どうなったかを追ってください。

見送りの理由は、相手の言葉と社内の推測を分けて書く

見送りの連絡に「予算が合わない」と書かれていたとします。はたして、値下げすれば受注できたのでしょうか。理由はほかにも考えられます。まだ社内で予算が取れていなかった。別の課題を先に片づけることにした。費用に見合う効果が伝わっていなかった。

そこで記録は2つに分けます。相手が実際に書いたことや商談で聞けていた条件と、営業担当者が推測した理由です。推測は、次の商談で確かめる手がかりになります。けれど失注の原因として数えてしまうと、見当違いの手を打つことになります。

状態の例記録する事実すぐに決めつけないこと
返信待ち返信した日と、相手にお願いした次のこと関心がなくなった
予算確認中社内で確認すると相手が伝えたこと価格が高すぎた
時期未定開始時期が決まっていないこともう案件にならない
他社へ依頼相手から聞けた決定の内容聞いていない選定の理由

どこで止まるかで、見直す側が変わる

並べてみると、特定の段階で止まっている案件が多いことに気づきます。その段階ごとに、先に手を入れる側は次のとおりです。

多く止まっている段階先に見直す側主に見る場所
対象外の相談Webサイト対象のお客さま・対応範囲の説明、広告や紹介文
返信後の途切れ営業(受付・返信)返信が届いているか、返信文の内容、次の手順の案内
商談で条件が合わない両方料金の考え方や依頼の流れの掲載、商談で聞く内容
提案後の見送り営業(提案)決める人、比べている相手、提案資料

商談のたびに同じ基本説明を繰り返しているなら、止まっているのが営業の段階でも、その説明をサイトに載せれば商談が早く進みます。反対に、対象外の相談が多い原因が、紹介してくれた取引先の説明にあることもあります。

対象外の相談が多いなら、期待値のずれを確かめる

ある不動産会社のサイトでは、賃貸の問い合わせばかりが届き、売買の問い合わせはほとんどありませんでした。トップページに賃貸の検索が大きく置かれていたため、訪れた人には「賃貸の会社」に見え、売買も頼めるとは思われていなかったのです。トップページに「賃貸の方」「売買の方」と入口を分けたところ、売買の問い合わせも入るようになりました。

このように、対象外の相談が続くときは、ページが訪れた人にどんな期待を持たせているかを見ます。サイトの立ち上げと運用をまとめて請け負う会社が「Webのことなら何でもご相談ください」と案内していれば、読んだ人が「画像を1枚差し替えるだけの仕事も頼める」と受け取るのは自然です。ページの言葉や入口の見せ方と、実際に請け負っている仕事を並べて見比べます。

ページに書くのは、どんなお客さまの、どんな仕事を、どこまで引き受けるかです。費用が何によって変わるかも添えます。できないことを並べるより、「こういう相談なら力になれます」と書くほうが、本当に頼みたい人は判断しやすくなります。料金を載せるなら、その金額で何をどこまで行うのかも一緒に書きます。

条件を書くときは、頼みたい人まで遠ざけない

対象外の相談を減らそうとして条件を厳しく書くと、今度は本当に頼みたい人がためらいます。「制作範囲と予算が決まっている方のみ」と書けば、まだ何を頼めばよいか分からない人は問い合わせを諦めます。依頼に欠かせない条件と、相談の時点では決まっていなくてよいことを分けて書きましょう。何も決まっていない段階から一緒に整理できるなら、そう書いておきます。

対応できる地域や会社の規模、分野が決まっているなら、サービスの説明の中で「対応地域は〜です」のように書きます。問い合わせのあとで断るより、ページを見た時点で相手が判断できるほうが、お互いの手間が減ります。

広告や紹介文と、ページの説明を見比べる

ページの本文が正しくても、手前の広告や外部サイトの紹介文が、違う期待を作っていることがあります。「格安・即日対応」という広告から毎月の運用支援のページに来た人は、価格や契約の形に戸惑うでしょう。問い合わせの多い入口を調べ、そこで案内している内容と実際のサービスが合っているかを見ます。営業資料や担当者のメールで伝えている範囲も、同じようにそろえます。

返信後に途切れるなら、返事しやすいかを見る

返信したのに、相手から返事がない。無言で断られているように感じるかもしれませんが、なんて返していいのか分からないだけかもしれません。ちゃんと理解しないと返信できないと後回しにされ、そのまま忘れられているかもしれません。

相談された内容には答えず、長い質問票や日程調整の案内だけを送っていないでしょうか。それでは相手は、この会社に頼めるのかを判断できません。答えられる範囲で相談に答え、足りない情報は大事なものから順に聞きます。「分からない項目は空欄のままで構いません」と添えれば、内容が固まっていない相手も返事をしやすくなります。

面談を勧めるなら、何を話す場で、何を準備すればよいかも伝えます。条件を相談する場なのか、発注を具体的に話し合う場なのかが分かれば、相手も参加するかどうかを決められます。フォームの送信後の画面や自動返信メールで、この後の流れを案内しておくのも効果があります。

商談・提案で止まるなら、決める人と比べている相手を確かめる

問い合わせをくれた担当者とは別に、発注を決める人がいることはよくあります。誰が決めるのか、いつまでに決めるのか、ほかの会社や別の方法と比べているのかを、商談の中で確かめます。担当者は乗り気でも、上司に説明する材料が足りずに止まる案件は少なくありません。

担当者が、上司にも説明しやすい提案資料を読んで納得する様子

提案資料には、金額と作業の内容に加えて、何を解決する提案なのか、なぜその方法を選んだのか、依頼する側に何をしてもらうのかを書きます。担当者がそのまま上司に見せれば説明できる資料が目標です。

金額を先に出しすぎていないか

あるBtoB企業では、問い合わせフォームに詳しいヒアリング項目を設け、最初の返信で概算の見積もりを送っていました。その結果、相手は金額だけで判断するようになり、その金額の根拠や自社の強みを伝える機会を失っていました。フォームを面談予約の形に変え、まず顔を合わせて話してから提案と見積もりを出す流れにしたところ、受注率が上がりました。

相手がまだ何を解決したいのかを決めきれていない段階で金額だけを渡すと、比べられるのは価格だけになります。見直すのは提案の出し方です。最初は課題を整理する場をつくり、そのうえで内容と見積もりを出す、といった進め方を検討します。

一方で、見送りの理由が説明の不足ではなく、実際の価格や納期、相手の社内事情にあるなら、ページの文章を直しても解決しません。商談のたびに基本的なサービス内容を一から説明しているなら、サイトに判断材料が足りていない可能性があります。商談の記録を見返し、サイトに載せる情報と、営業のやり方で変える部分を分けてください。

問い合わせの数が減っても、すぐに悪くなったと決めない

サービスの対象をはっきり書くと、問い合わせの数が減ることがあります。それだけで悪くなったと判断せず、対応できる相談の数、商談になった数、提案後の反応がどう変わったかを見ます。反対に件数が増えたときは、営業の手間だけが増えていないかを見ます。

つまり、問い合わせの質を見るようにします。たとえば、自社が対応できる内容か、次の打ち合わせに進めるか、という基準です。

まとめ|件数を増やす施策の前に、止まっている場所を確かめる

問い合わせが受注につながらないときは、件数を増やそうとする前に、どの段階で止まっているかを確かめます。対象外の相談が多いなら、サイトの説明と入口の見せ方を。返信後や提案後に止まっているなら、営業の返信や提案の出し方を先に見直します。

最近の問い合わせを、返信済→商談済→提案済のファネルに当てはめてみてください。営業担当者と一緒に経過を追えば、サイトと営業のどちらを直すかが決まります。

相談内容とサービスの間に、ずれを感じている方へ

サイトでの説明や問い合わせの流れを確認し、顧客との認識のずれを減らす改善を考えます。

中村 和正

この記事を書いた人

中村 和正

株式会社gracenote 代表取締役 / 一般社団法人日本Web協会 会長

Web制作・ディレクション・マーケティングの実務を経て、2018年に株式会社gracenoteを設立。Webサイトの設計・改善支援と、Webディレクターの人材育成に携わっています。著書に『「買わせる」の心理学』。

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