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ホームページから問い合わせが来ないとき、何から確認すればよいか

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ホームページから問い合わせが来ないとき、何から確認すればよいか

ホームページから問い合わせが来ない。そう感じたとき、「デザインが古いからだろうか」「広告を増やすべきだろうか」と考える方は少なくありません。ただ、原因がほかの場所にあれば、見た目を変えても、訪問者を増やしても、相談は増えません。

問い合わせは、見込み客がサイトを訪れ、サービスを理解し、依頼するかを判断し、行動を起こしてはじめて届きます。

最初に確かめたいのは、フォームが正しく機能しているかです。問題がなければ、法人向けサービスのサイトでは次の順に原因を切り分けます。

  1. 受付:フォームから送信でき、担当者が受け取り、解析にも記録されるか。
  2. 訪問者:相談してほしい人が、サービスのページに来ているか。
  3. 説明:誰の、何を解決するサービスかが伝わっているか。
  4. 比較材料:費用・実績・進め方など、依頼を判断する情報があるか。
  5. 相談までの経路:連絡先を見つけ、迷わず問い合わせを終えられるか。
確認順序は、送信・受信・計測、見込み客の訪問、サービスの理解、比較・判断の材料、相談までの導線の5段階。確認できた事実から直す場所を決める。

1. フォームは正しく送信・受信・計測できているか

まず、自社の問い合わせフォームからテスト送信をしてみてください。送信ボタンを押して終わりにせず、担当者が受け取るところまで確かめます。社内にテストであることを伝え、パソコンとスマートフォンの両方で次の3点を見ます。

  • 必須項目を入力すると送信でき、受付が完了したと分かるか。
  • 問い合わせ内容が保存先や担当者の受信箱に届いているか。
  • アクセス解析で、意図した送信完了の記録が残るか。

画面に「送信しました」と出ても、通知メールが迷惑メールに振り分けられていれば、担当者は気づけません。反対に、実際には問い合わせが届いていても、解析の設定が合っていなければ、レポート上では0件に見えます。

弊社がご相談を受けてサイトを調べてみたところ、アクセス解析のタグが二重に設置されていたなんてケースもありました。改善の判断に使う数字そのものが、正しく取れていなかったのです。

解析の数字と実際の受付が食い違うなら、数字の増減を読む前に、何が記録されているかを調べます。フォームを操作した記録と、問い合わせが実際に届いた記録は別です。「問い合わせ1件」として何を数えているかは、制作・計測の担当者と確認してください。設定の確認にはGoogle アナリティクスの拡張計測機能の説明も参照できます。

送信や通知に不具合が見つかったら、フォームの修正を先に進めます。

受付が正常なら、3つの数で次に見る場所を絞る

計測が正しいと確かめられたら、その数字を使って、次にどこから見るかを絞れます。アクセス解析で、同じ期間の次の3つの数を並べてみてください。

  1. 主力サービスのページが見られた数
  2. お問い合わせページが開かれた数
  3. 送信が完了した数
3つの数の様子確認すること
サービスのページがあまり見られていない訪問者
サービスのページは見られているが、お問い合わせページへ進む人が少ない説明、比較材料
お問い合わせページは開かれているが、送信の完了が少ない相談までの経路

問い合わせが月に数件のサイトでは、1か月の増減で判断するのは危険なので、数か月分をまとめて、傾向として読んでください。

サイトを見てから電話やメールで直接連絡する人は、フォームの数に表れません。受付の際に「何をご覧になってご連絡いただいたか」を伺っておくと、数字に出ない相談もサイトの成果として把握できます。

2. 相談してほしい人が、サービスのページに来ているか

アクセスが増えているのに、問い合わせは増えない。そんな場合は、訪問者の中身に目を向けます。

あるクライアントでは、アクセス元の企業を調べるツールを入れたところ、競合他社からのアクセスも多いことが分かりました。サイトを見ている企業が、そのまま発注を検討している企業とは限らなかったのです。

アクセス数だけでは、見込み客が増えたかどうかまでは分かりません。総アクセス数の増加を問い合わせの見込みとして扱わず、サービスのページの閲覧や実際の相談内容と合わせて判断します。

企業を調べるツールがなくても、この点検は始められます。手がかりは、検索から来る前と、来た後を分けて見ることです。Googleは、Search Consoleの役割を次のように説明しています。

Search Console では、Google 検索からウェブサイトに到達するまでのアクティビティに重点が置かれています。

出典:Google 検索セントラル「Search Console と Google アナリティクスのデータを SEO に使用する」

Google Search Consoleで検索された言葉や検索結果からのクリックを、Google Analyticsで訪問したページやサイト内の行動を確認します。主力サービスのページを1つ選び、どんな言葉で探され、訪問後に何を読んでいるかを見てください。想定するお客さまの探し方と合っているでしょうか。

商談で「何を調べていたか」を聞けば、解析だけでは分からない検討の背景も補えます。サービスを必要とする人との接点が少なければ、集客方法や、関連する記事からサービスへ進むリンクを見直します。すでに見込み客がサービスのページを訪れているなら、次は掲載内容です。

3. 「誰の、何を解決するサービスか」が伝わっているか

「何をしている会社か」は分かったけど、「自分のニーズに合っているか」が分からない。そういった状態になってしまっているケースもよく見かけます。

例えば、研修会社の紹介文に、対象と利用場面を加えてみます。

変更前変更後
多彩な研修プログラムで人材育成を支援します。初めて部下を持つ管理職向けに、面談の進め方を練習する研修です。自社の評価制度に合わせた内容の調整も相談できます。

自社で何を補えばよいか迷ったら、営業で最初に聞かれる質問を集めてみてください。「うちの規模でも頼めますか」「この部分だけお願いできますか」。繰り返し聞かれる質問の答えが、ページにも載っているかを見ていきます。

社内で使い慣れている言葉ほど注意が必要です。例えば「伴走支援します」と書かれていたとして、それは会議に参加するのか、作業まで担当するのか、相談に答えるのか。自社では当然の違いも、初めて読む人には伝わっていないかもしれません。

4. 費用・実績・進め方など、比較する材料が揃っているか

自社に合うサービスだと分かれば、次は依頼するかどうかの検討です。予算が合うのか、社内で何を準備するのか、問い合わせた後に何が起きるのか。答えが見つからなければ、相談をためらう理由が残ります。

知りたいこと掲載する内容の例
予算に合うか費用の目安、含まれる作業、金額が変わる条件
自社の課題を相談できるか類似する課題の事例、対応範囲、対応が難しい条件
社内で何を準備するか必要な資料、担当者の役割、打ち合わせの進め方
問い合わせ後に何が起きるか最初の連絡方法、相談から見積もりまでの流れ

料金が案件ごとに変わるなら、無理に一律料金を出す必要はありません。作業量や支援期間など、金額を左右する条件を示すだけでも、見積もりを頼む前に自社の条件を考えやすくなります。

足りない情報は、営業資料や過去の提案書にあるかもしれません。商談では渡しているのに、Webサイトには載せていない説明がないかを見直してみましょう。

5. 相談したくなった場所から、迷わず連絡できるか

説明も比較材料も揃っている。それでも問い合わせが少ないなら、連絡の取りやすさを見直します。窓口が用意されていても、お客さまが使いたい方法とは限らないからです。

当社で支援している小売業のお客様では、主なターゲットが主婦層であったため、LINEの窓口を設けたところ、問い合わせ数が2倍になりました。ユーザーがEメールをあまり使わないためにフォームの利用に積極的でなかったのです。

Webサイトの「LINEで相談」ボタンから、スマートフォンのLINEで問い合わせる流れを表したイラスト

逆に法人向けのサイトだと、個人のLINEは使いづらいことも多いです。この場合はメールやビジネスチャットなど仕事で使うことが多いツールが望ましいでしょう。また、PCとスマートフォンのどちらが多く使われるかもアクセス解析などでチェックしておきます。

まずは自社のフォームで実際に試してみてください。

読み終えた場所に相談先があるか、ボタンの文言で移動先が分かるか、フォームで何を書けばよいかを見ます。普段そのサイトを使っていない人に試してもらうと、作り手が気づきにくい迷いも拾えます。

入力で手が止まる箇所があれば、項目の内容も見直します。まだ決まっていない予算や日程を必須にすると、相談したい人でも先へ進めません。一方、対応できるかを判断する条件まで削ると、その後のやり取りが増えます。「最初の返信や対応可否の判断に必要か」を基準に、必須項目を絞りましょう。

入力を間違えたときに修正する場所が分かるか、送信後に受付完了が伝わるかも確認します。返信の目安を載せる場合は、実際に対応できる日数に合わせます。

直す場所は、確認できた事実から決める

点検すると、改善候補がいくつも出てきます。今度は優先順位で迷うはずです。ここでは、確認できた不具合と、まだ確かめていない原因を分けると判断しやすくなります。

例えば、「スマートフォンで送信ボタンが押せない」は、再現できれば修正すべき不具合です。一方、「料金が載っていないから相談されないのではないか」は、確認が必要な仮説です。営業でも費用に関する質問が繰り返されているなら、料金の説明を補う理由が強くなります。

確認した状態次に行うこと
操作すると送信が止まる入力条件と手順を残し、制作担当へ調査を依頼する
画面は完了するが通知を確認できない保存・通知・受信のどこまで確認できたかを分ける
受付はあるが解析に記録がない何を1件と数える設定か確認する
受付は正常だが相談が少ない訪問者、説明、比較材料、相談までの経路を確認する

冒頭の「デザインか、広告か」という迷いも、ここで答えが出ます。広告や集客を増やすのは、受付・説明・比較材料・経路に大きな問題がなく、見込み客の訪問が足りないと分かったときです。説明や比較材料が足りないなら、まず既存のページへの追記で補えるかを考えます。デザインの作り直しを検討するのは、情報を足しても伝わらないほど、ページの構成そのものが合わなくなっているとき。見た目の古さだけでは、作り直す理由になりません。

不具合の修正を終えたら、次に試す改善を1つ選びます。変更日と内容を残しておけば、後から問い合わせやサービスのページの閲覧の変化と照らし合わせられます。問い合わせが少ないサイトでは、数件の増減だけで結論を出さず、相談内容も見て判断します。

まとめ|確認できたことから、改善を始める

問い合わせが来ない原因は、止まっている場所を確かめると見えてきます。まずフォームからテスト送信し、担当者が受け取れるところまで確かめてください。問題がなければ、サービスのページ、お問い合わせページ、送信完了の3つの数を並べ、どこで減っているかを見ます。

集客を増やすのか、説明を補うのか、受付を直すのかで、必要な作業も費用も変わります。再現できる不具合は修正へ、原因がまだ分からない点は調査へと分けておけば、制作会社への相談も具体的に始められます。

確認しても、改善の着手点が決まらないときに

現在のサイトと問い合わせの状況を伺い、何を確かめ、どこから改善するかを整理します。

中村 和正

この記事を書いた人

中村 和正

株式会社gracenote 代表取締役 / 一般社団法人日本Web協会 会長

Web制作・ディレクション・マーケティングの実務を経て、2018年に株式会社gracenoteを設立。Webサイトの設計・改善支援と、Webディレクターの人材育成に携わっています。著書に『「買わせる」の心理学』。

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