メインコンテンツへスキップ
お問い合わせ
お問い合わせ

BLOG

ホームページ公開後、最初の3ヶ月で何を確認するか

Webグロース
ホームページ公開後、最初の3ヶ月で何を確認するか

新しいホームページが公開されると、社内にはひと仕事終えた空気が流れます。あとは問い合わせを待つだけ。そう考えたくなりますが、公開とは、まだスタートラインに立った状態です。

実際、公開から数ヶ月たっても、トップページのお知らせが公開日のまま止まっているサイトは珍しくありません。制作中はあれほど話し合ったのに、公開した途端に誰もサイトを開かなくなる。せっかく作り直しても、これでは何も変わりません。

公開後の3ヶ月は、サイトを実際に使った人の反応を集め、直す順番を決め、更新と改善を普段の仕事に乗せる期間です。

時期の目安やること
1ヶ月営業・お客さま・更新担当の反応を集める
2ヶ月目集めた声と数字を突き合わせ、直す順番を決める
3ヶ月目更新と改善を、普段の仕事の予定に組み込む
公開後の確認を段階で分ける。1. 公開直後の点検、2. 情報と運用の確認、3. 仮説を立てて改善。

最初の1ヶ月は、使った人の声を集める

サイトの出来を決めるのは、作った側の満足ではなく、使った人の反応です。そして公開直後のいちばんの材料は、社内にあります。営業担当、問い合わせを受ける人、更新を受け持つ人の3人に、サイトを使ってみてどうだったかを聞いてください。

営業担当には、商談でサイトを見せられたかを聞きます。「詳しくはこのページを見てください」と言えたなら、そのページは役目を果たしています。反対に、説明のたびに資料を別に送っているなら、サイトに載せるべき情報が足りていません。

問い合わせを受ける人には、届いた相談の中身を聞きます。サイトを見て来た人が、すでに分かっているはずのことを質問していないか。料金や対応範囲について、同じ質問が何度も来ていないか。ここに、サイトの説明不足がそのまま表れます。

声は「誰が、何をしようとして、どこで止まったか」で聞く

「使いにくい」「分かりにくい」という感想だけでは、何を直せばよいか決められません。誰が、パソコンとスマートフォンのどちらで、何をしようとして、どこで手が止まったのかを聞きます。

たとえば「サービスが探しにくい」という声があったとします。サービス名を知っている今のお客さまが探したのか、困りごとから依頼先を探している初めての人なのかで、直し方は変わります。前者ならメニューの名前を、後者なら困りごとから選べる入口を見直すことになります。

公開直後は、社内から「あれも載せたい」「この機能も欲しい」という要望も集まります。これも声として書き留めますが、すぐには作りません。すべて足していくと、公開時に目立つ場所へ置いた大切な情報が押し出されるからです。

初回の更新を、実際の業務で通してもらう

更新を受け持つ人の声は、実際に更新してもらわないと出てきません。操作の説明を聞いた直後と、自分で原稿を用意して更新するときとでは、迷うところが違うからです。公開後の最初のお知らせか実績を1件選び、原稿の準備から承認、公開までを、実際の分担どおりに進めてもらいましょう。

画像の加工に時間がかかる、入力欄の意味が分からない、承認する上司が公開前の画面を見られない。こうしたつまずきは、ここで初めて見えてきます。担当者が記事を書くたびに文字の大きさや余白を手で直しているなら、それは慣れの問題ではなく、サイトの作りを見直す合図です。一方、更新に必要な情報が別の部署から届かないなら、管理画面をいくら直しても解決しません。

2ヶ月目は、声と数字を突き合わせて、直す順番を決める

1ヶ月分の声がたまったら、アクセスの数字と並べて見ます。声だけでは一部の人の感想かもしれず、数字だけでは理由が分かりません。2つを突き合わせると、直す場所が絞れます。

よく読まれているページなのに対応できない相談が多いなら、集客より先に、サービスの対象や範囲の説明を直します。営業が「このページを見てください」と言えないページが、あまり読まれてもいないなら、中身を作り直す候補です。必要な人にそもそも見られていないなら、入口になるページや、営業での案内の仕方を変えます。

問い合わせがもともと月に数件のサイトなら、件数の増減を追っても判断はつきません。営業が受けた質問や、お客さまが迷った点のほうが、ずっと確かな手がかりになります。

候補は、影響の大きさで並べる

直したいところは、たいてい予算や時間より多く出てきます。並べるときは、問い合わせや申し込みなど大事な行動を妨げているか、困っている人が実際にいると分かっているか、直したときにほかのページへどこまで影響するか、の3つで比べます。問い合わせにつながるサービス説明の不足と、あまり見られていないページの飾りなら、先に直すのは前者です。並べておけば、声の大きい人の要望から手を付けることもなくなります。

直す前には、どう変わってほしいのかを1文で書きます。「ページをよくする」では、何をすればよいか決まりません。「対応できるかどうかが分からず電話で確認している人が、ページを読むだけで判断できるようにする」と書けば、文章を足すのか、見つけやすい場所へ移すのかを考えられます。直したあとに見るのも、この1文に書いた変化です。料金の説明を書き足したなら、費用についての質問が減ったかを見ます。

3ヶ月目は、更新と改善を普段の仕事に組み込む

公開から3ヶ月たつと、制作中の熱は冷め、サイトのことはほかの仕事に押されていきます。ここで仕組みにしておかないと、冒頭の「お知らせが公開日のまま」のサイトになります。

サイトに寄せられた声を、3つに分けて整理する様子

まず、誰が何を受け持つかを決めます。問い合わせの受付を見る人、情報を更新する人、改善するかどうかを決める人です。制作会社に任せる部分と、自社で行う部分もここで分けます。

対象受け持つ人が見ること問題があったときの次の動き
問い合わせ届いた相談の中身と件数説明不足が原因なら、該当ページを直す候補に入れる
サービス情報営業で案内している条件と一致しているか情報を持っている部署に正しい内容を確かめる
更新お知らせや実績が予定どおり出ているか止まっている原因が、原稿・承認・操作のどれかを分ける
改善の候補困った場面と根拠が書き留められているか次の打ち合わせで、やるかどうかを決める

次に、見る日を予定に入れます。月に1度、30分でも、問い合わせの中身、営業の反応、更新の状況、前回決めた作業の結果を並べて話す時間を取ります。議題は「フォームについて検討する」ではなく、「入力欄を減らすか、欄は残して説明を足すか」のように、決めたいことと選択肢で書きます。そうすれば、その場で決められます。

1ヶ月目に書き留めた要望も、ここで振り分けます。必要だと分かったもの、もう少し様子を見るもの、今はやらないもの。今はやらないものには理由と、どうなったら考え直すかを添えておけば、担当者が替わっても同じ話し合いを一からやり直さずに済みます。

まとめ|公開してからが、サイトを育てる時間

公開後の3ヶ月は、成果をただ待つ期間ではありません。最初の1ヶ月で使った人の声を集め、2ヶ月目に声と数字から直す順番を決め、3ヶ月目には更新と改善を普段の仕事の予定に組み込みます。

公開したら、まず営業担当に「商談でサイトを見せられたか」を聞いてみてください。その答えが、サイトを育てる最初の材料になります。

公開後に何を確認し、改善するかを整理します

サイトの目的と運用体制に合わせて、確認項目と改善の進め方を検討します。

中村 和正

この記事を書いた人

中村 和正

株式会社gracenote 代表取締役 / 一般社団法人日本Web協会 会長

Web制作・ディレクション・マーケティングの実務を経て、2018年に株式会社gracenoteを設立。Webサイトの設計・改善支援と、Webディレクターの人材育成に携わっています。著書に『「買わせる」の心理学』。

一覧へ戻る