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会社のドメインは誰が管理していますか?制作会社変更前の確認事項

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会社のドメインは誰が管理していますか?制作会社変更前の確認事項

「ドメインもサーバーも、制作会社に任せているから大丈夫」。契約が続いているあいだは、それで困ることはほとんどありません。困るのは、制作会社を替えようとしたときです。

新しい制作会社にサイトを作り直してもらい無事に公開できたので、もう付き合いのない前の制作会社との契約を解約した。すると、会社のメールが届かなくなる。前の契約にサイトだけでなく、ドメインやメールの管理まで含まれていたのに、社内の誰もそれを知らなかったときに起こることです。

制作会社を替える前に自社で確かめたいのは、次の3つです。ドメインは誰の名義で、どこが管理しているか。サイトのほかに何がそのドメインを使っているか。何を確かめたら前の契約を終えてよいか。設定の操作まで覚える必要はありません。今の管理状況を言葉で説明できれば、新旧の制作会社に必要な指示を出せます。

管理を分けて把握する。1. ドメイン、2. DNS、3. Webサーバー、4. メール。

ドメイン、DNS、Webサーバー、メールは、別々の契約になっていることがある

「ドメインの管理」と一口に言っても、中身は4つに分かれます。ドメインは「example.co.jp」のような、インターネット上の会社の住所にあたる名前です。DNSは、その名前でアクセスやメールが来たときに、どのサーバーへ案内するかを決める設定です。そして、サイトのデータを置くWebサーバーと、メールをやり取りするメールサーバーがあります。

制作会社に一式を頼んでいると、この4つがどう契約されているかは見えにくくなります。請求書に「ドメイン更新」「サーバー利用料」「保守」と1行ずつ並んでいても、契約先や管理画面は4つともばらばら、ということがあります。反対に、サイトもメールも1つのサーバー契約に載っていることもあります。どちらの形かによって、前の契約を解約したときに止まるものが変わるわけです。

4つが別々だと分かれば、「全部まとめて移す」以外の進め方も選べます。サイトだけを新しい制作会社に移し、ドメインの管理とメールは今のまま続ける方法や、ドメインの管理先はそのままにして、DNSの設定だけを新しいサーバーに向けてもらう方法です。

逆に、4つの区別がつかないまま今の契約を解約すると、サイトと一緒にメールまで止めてしまいかねません。何を移し、何を残すかが決まるまでは、今の契約に手を付けないのが一番の予防策です。

まずは、分かっていることを次の表に書き込んでみてください。埋まらない欄が、今の制作会社や管理会社に聞く項目になります。

項目確かめること
ドメイン登録者の名義、登録や更新を扱っている事業者、有効期限
DNSどこで設定しているか、誰が変更できるか
Webサーバーサイトがどの契約のサーバーで動いているか
メールどのサービスで送受信しているか
更新と支払い更新通知の送り先、費用を払っている部署

いちばん先に確かめるのは、ドメインの登録者の名義

表のなかで後回しにできないのが、ドメインの登録者です。制作費を払っている会社が登録者とは限らず、制作会社の名前や、当時Webを担当していた社員個人の名前で登録されていることもあります。

名義が手続きを左右する例が、.jpや.co.jpといったJPドメインの管理事業者を替える手続きです。JPRSの案内によると、この手続きでは「認証コード」を使い、申請しているのが登録者本人か、登録者から委任された人かを確認します。さらに、変更元の事業者から登録者へ、変更を承認するかどうかの確認が行われます。登録者が自社でなければ、自社だけでは管理先を替えられないということです。

出典:JPRS「ドメイン名の管理指定事業者の変更」

管理画面にログインできることと、手続きの権限を持っていることも別です。前の制作会社からログイン情報を受け取っただけでは、名義は自社に移っていません。

名義と有効期限は、WHOISと請求書からたどる

JPドメインなら、JPRSが提供するJPRS WHOISで、登録者の名前、有効期限、ネームサーバなどを調べられます。ドメイン名を入れるだけなので、名義と期限の見当をつける最初の一歩に向いています。

出典:JPRS「Whoisとは」

契約の中身は、社内の記録から裏付けます。経理の支払記録、契約書、更新通知のメール、過去の制作資料を集め、ドメイン名や契約番号で突き合わせます。ドメインとサーバーを同時に申し込んでいても、記録には別々の商品名で載っていることがあるからです。

あわせて見ておきたいのが、更新通知の送り先です。数年前に辞めた担当者のアドレスに届き続けていれば、誰も読まないまま有効期限が近づいていきます。通知を受け取る人、費用を払う人、手続きをする人が別々なら、誰から誰へ連絡が回るのかを決めておきます。

契約資料が見つからなければ、今の管理会社に対象のドメイン名と自社の立場を伝え、名義や手続きについて正式な方法を尋ねます。有効期限が近い場合は、管理先の変更と更新をどう進めるかを、今の事業者と移行先の両方に先に相談しておきます。

サイトのほかに、そのドメインを使っているものを洗い出す

ドメインを使っているのは、会社のWebサイトだけではありません。社員のメールアドレスはもちろん、問い合わせフォームの通知、採用サイト、予約システム、メール配信サービスなどが、同じドメインにつながっていることがあります。サイトの表示だけを見てDNSを変えると、こうした別の用途まで止まるおそれがあります。

厄介なのは、止まっても画面には何も出ないことです。切り替えた翌日、新しいサイトは問題なく表示されている。ところが、フォームから届くはずの通知メールが担当者に届いていない。お客さまから「送ったのに返事がない」と連絡が来て、初めて気づくことになります。

洗い出しは、2つの方向から進めます。技術の分かる担当者や今の制作会社には、DNSに何が設定されているかを調べてもらいます。社内の各部署には、会社のアドレスで使っているサービスを挙げてもらいます。例えば採用担当が求人サービスの通知を会社のアドレスで受けていたり、営業が配信サービスから会社のドメインでメールを送っていたりすれば、それも対象です。両方を突き合わせると、設定を見ただけでは分からない使い道が見つかります。

今のサイトで使っていない古いドメインも、すぐには手放さないでください。古い名刺や資料、外部サービスの登録先として、まだ使われていることがあります。

洗い出した結果は、新しい制作会社にそのまま渡します。対象のドメイン、今の契約先、サイトとメールの利用先、分かっている関連サービスに加えて、変更しないものも伝えます。メールを今のサービスで使い続けるなら、制作会社はサイトを切り替えたあとにメールが届くかを確かめる段取りを組む必要があるからです。分からない点は「未確認」と書いておけば十分です。

前の契約を解約してよいのは、どこまで確かめたときか

新しいサイトが表示されたことだけで、前の契約を終えるのは早計です。解約の前に、少なくとも次のことが確かめられているかを見ます。

  • 新しいサイトの主要なページが表示され、問い合わせフォームの通知が担当者に届いた。
  • 会社のメールを、ふだんの方法で送受信できた。
  • 使い続けるサービス(採用、予約、配信など)を、それぞれの担当者が確かめた。
  • 前の環境から持ち出すデータや資料を受け取った。
  • ドメインの更新通知の送り先と、費用を払う担当が、自社で分かる状態になった。

これらを確かめるには、切り替えの日に人がそろっている必要があります。設定を変えるのは制作会社でも、会社のメールが届くか、社内のシステムが動くかは、自社の担当者でないと確かめられません。作業の日時が決まったら、メールや各サービスを確認できる人の予定も押さえておきます。

問題が起きたときに誰が影響を判断し、誰に復旧を頼むかも、作業の前に決めておきます。連絡の手段は、切り替えるメールとは別のもの、例えば電話やチャットも用意しておくと安心です。

前の契約に、解約の申し出の期限がないかも確かめます。「〇ヶ月前までに申し出」といった決まりがあれば、確認にかかる期間を見込んで逆算し、新しい環境が落ち着くまで前の契約を残せるようにします。

サイトの切り替え後に、確認メールと問い合わせフォームの通知メールが受信箱に届いているかを担当者が確かめている様子。

今の制作会社に、最初に送る質問

表の空欄を埋めるには、今の制作会社に聞くのが早道です。次の質問をまとめて送れば、名義から引き継ぎの範囲まで一度に答えてもらえます。

  • 現在のドメイン登録、DNS、Webサーバー、メールは、それぞれどの契約で、誰の名義で管理していますか。
  • このうち、御社との契約を終えると止まるものはどれですか。
  • 名義や管理先の変更に必要な手続きと資料はありますか。
  • 更新や解約の期限など、移行の日程に関わる条件はありますか。
  • 引き継ぎのときに、自社へ渡していただける管理情報は何ですか。

引き継いだあとは、自社の台帳に残す

移行が終わったら、登録者、管理事業者、有効期限、費用を払う担当、問い合わせ先を、自社の管理台帳に書き込みます。置き場所は担当者の個人フォルダではなく、担当が替わっても権限のある人が見られる場所にします。

台帳にパスワードを書き並べる必要はありません。ログイン情報は会社で決めた方法で保管し、台帳にはその保管場所と、権限を申請する窓口だけを書きます。次に担当者が替わったとき、今回のように名義や管理先を一から探さずに済みます。

まとめ|名義と用途が分かるまで、今の契約を解約しない

制作会社に任せていても、ドメインの名義と管理先、サイトのほかに使っているものは、自社でつかんでおく必要があります。特に登録者が自社でなければ、管理先を替える手続きを自社だけでは進められません。

まずは手元の請求書と更新通知を集め、ドメイン・DNS・Webサーバー・メールの管理先を表に書き込んでください。埋まらない欄は、今の制作会社に質問としてまとめて送ります。前の契約を終えるのは、メールとフォームの通知が届き、使い続けるサービスの担当者が確認を終えてからです。

制作会社の変更に伴う引き継ぎをお考えの方へ

確認表を作ってみたものの、空欄が埋まらない。メールへの影響が読めない。そんなときは、サイトやドメインの管理状況を踏まえ、リニューアルに必要な確認事項と進め方を整理します。

中村 和正

この記事を書いた人

中村 和正

株式会社gracenote 代表取締役 / 一般社団法人日本Web協会 会長

Web制作・ディレクション・マーケティングの実務を経て、2018年に株式会社gracenoteを設立。Webサイトの設計・改善支援と、Webディレクターの人材育成に携わっています。著書に『「買わせる」の心理学』。

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